こんにちは、#ひろとし課長#です。
私は某地方銀行の中小企業の事業再生セクションに、約10年間従事し、
最近まで責任者を務めておりました。
現在、中小企業の事業再生分野に携わっている方、また、中小企業の経営者の方などに、
私のこれまでの経験とノウハウなんぞをお伝え出来たらと考えています。
そろそろ、前書きのクライマックス。
誰もみてくれてないけど、そのうち見てくれると信じて書き続けます。
なぜ、地方銀行が中小企業再生に真剣に取り組まねばならないのか?
という銀行員としての素朴な疑問を私はず~と考えてきて、
その結論が、ここ数日のブログで示した通りなのです。
- 地方銀行のビジネスモデルは、地元顧客という経営基盤で成り立っている。それゆえ、地域というポテンシャルが低下しているならば、ポテンシャルを向上させない限り、地方銀行自体が事業継続することができない。
- 企業の目的は顧客を創造することにある。地方銀行の顧客は、地域住民ほかならず、顧客の課題解決なくして、企業としての使命、目的は果たすことはできない。
- これまで同様の、金利競争による規模拡大などという昔ながらのビジネスモデルでは事業継続できない。これからは、持続可能なビジネスモデルの構築、すなわち、地域との「共通価値の創造」なくして、地方銀行は生き残れない。にもかかわらず、地方銀行の現状は、金融仲介機能を十分に発揮できていない。
- 銀行は、「金融排除」を行った結果、顧客基盤が細ってしまったこと、ならびに目利きまで失っている。
私が思うに、銀行が中小企業の事業再生に取り組む理由は、
銀行は公共の機関であり、地元中小零細企業を支援するという大義名分がある、
などという甘っちょろい、使命感・大義名分だけのため、だけではない。
それどころか、地域の企業を再生させて、地元ポテンシャルをあげる努力をしない限り、
収益の種が枯渇ししてしまう。
つまり、地方銀行が、地元中小・零細企業の事業再生に取り組むのは、
使命感というよりも、むしろ生き残るための
「絶対条件」なのである。
地域金融の本丸は事業再生
橋本卓典氏の「捨てられる銀行」から、私が感銘を受けたフレーズを紹介します。
成長企業を支援するのは地域金融機関として胸を張れるようなことではない。地域に根を張っている限り、あまたの人々の雇用や生活に直結する事業再生という難題に立ち向かわなければ、地域金融の責任を果たしたとは到底言えない。
事業再生には、金融機関において最もスキルやノウハウ、継続的な取り組み、人材育成などの総合力が求めらえる。ほとんどの地銀は、この面倒な問題には向き合わず、都合の良い事案を好事例としてアピールしたり、局所的に取り組むだけにとどまっている。いわば忘れられた地域金融の本丸だ。経営方針の柱として事業再生を位置づけ、そのためのノウハウの蓄積やスキルアップのための人事戦略まで実践してこそ、真の地域金融機関といえるのではないだろうか。
すべては地域金融機関の覚悟次第だということだ。
捨てられる銀行 橋本卓典 講談社現代新書
その通りです。私は覚悟決めました。
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