" /> 現役地方銀行員「課長」が、中小企業支援のため、「副業ブログ」はじめました!【13日目】 - 地方銀行員が語る「中小企業再生支援」の現場

現役地方銀行員「課長」が、中小企業支援のため、「副業ブログ」はじめました!【13日目】

事業再生

こんにちは、あらためまして#ひろとし課長#です。

私は某地方銀行の中小企業の事業再生セクションに、約10年間従事し、

最近まで責任者を務めておりました。

現在、中小企業の事業再生分野に携わっている方、また、中小企業の経営者の方などに、

私のこれまでの経験・ノウハウなんぞをお伝え出来たら、と思っています。

前回、企業の異変、異常に気が付いたら、

まず、資金繰りを確認すること、といいましたが、

さあ、いよいよ、事業再生にすすむぞ、といったときに何をすればよいのか、

をお伝えします。

事業再生とはまずなにするの?

事業再生、といわれてなにを連想するでしょうか?

「事業再生」の本って、分厚いし、高い。

だいたい、大手監査法人系のコンサルか弁護士が書いています。

本の中を見ると、スキームや税金のことばっかり。

しかも、大手企業や上場企業の事例が多く、

地方銀行の現場レベルでは、あんま参考にならないことが多かったりします。

従前から申し上げている通り、中小零細企業は、承継と再生の事案ばっかり。

地方金融機関の仕事にとって、日常的に直面している事案なのです。

参考図書のごとく、事業再生は、スキームありきの話では決してありません。

企業の社長と、銀行員という生身の人間と人間の話なんです。

これをまったく勘違いしないでほしい、そこからです。

では、なにからはじめるか、といいますと

当たり前ですが、社長と信頼関係を構築することからはじまるわけです。

これを、目線をあわせる といいます。

目線をあわせる

事業再生先の社長に対して、今後、銀行といっしょに経営改善を進めるにあたって、

まず、目線合わせ を行います。

ここでいう「目線合わせ」というのは、要するに事業再生先の社長に対して、

「覚悟を決めさせること」なのです。

(ちょっとヤクザっぽい言い方ですが)

どんなことがあっても、資金繰りを維持する、

会社、従業員を守り抜く、という決意を決めさせることなのです。

この儀式?をしっかりと行うことなく、再生計画を進めていくと、

「その計画は銀行やコンサルが作ったものだから」

とか、

「銀行のリスケを引き出すためのもの」

など、

誰のためにやるの?

というような感じの、責任の所在が不明で、中途半端なものになってしまうのです。

結果、うまくいくはずがありません。

銀行としては、ここは支店長の登場です。

しっかり社長と向き合って、

「どんなことがあっても、経営改善に取り組みます」

という言質を取らなければ、絶対にダメです。

社長の痛み

あたりまえですけど、社長は嫌がります。

できれば先延ばししたい、はず。

人間ですもの。

銀行と事業再生について握るということは、

  • 銀行管理下に置かれるという立場(銀行にいろいろ言われるし、探られるし・・・)
  • 役員報酬カット(自分の給料の削減)
  • 人員整理や不採算取引先のカットなど(言いたくないことを告げなければ・・・)

そんなことするくらいならば、という話になる。

だから社長は、逃げたくなるのです。

支店長の悩み

一方で、銀行の立場とすると、

メイン行として、当社の再生に対して重い責任が生じます。(当たり前だけど)

すると、支店長は悩みます。

  • メイン行として、資金繰りに責任を持たなければならない。
  • 追加の金融支援(赤字資金実行)も検討しなければならない。
  • 他行にも当社を支えるという応援メッセージをしなければならない。
  • うまくいかなかった場合の追加支援。
  • 訪問頻度が増す、時間がかかる、いやなことも言わねばならない、つかれる。
  • 再生失敗=回収不能額の増加=支店長の責任

これらを検討しなければいけません。

覚悟を決めるのは再生企業の社長だけでなく、

現場の「支店長」も、腹をくくらなければならないのです。

退場を命じることも

支店長がどんなに頑張って、支えようとしても、

再生が成功するか、しないかは、企業次第。

どんなに社長が頑張ってアクションプランを実行しても、

成功するかしないかは、外部環境次第ということもある。

再生できるビジネスもあれば、もはや終わっているビジネスもある。

そこを判断したうえで、支店長は、場合によっては、

市場からの退場を命じなければならない。

もはや御社は市場から求められていません。

厳しいかもしれませんが、

これを伝えることも、メイン行の仕事なのです。

事業再生とは、

まさに、銀行員と社長との、人間と人間のぶつかり合いなのです。

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