こんにちは。#ひろとし課長#です。
これまで、がんばって投稿してきたのですが。
私が最初に訴えかけた、
地方銀行は中小零細企業は相手にしないのでは?
という問いに対する答えになってない、なあ~と。でもめげずにがんばります。
今回は、信用力と担保 というテーマで、解説しましょう。
銀行はリスク産業である
銀行融資には、当たり前ですがリスクがあります。
融資した企業が倒産などすれば、銀行には損失が生じます。
まず、大前提としまして、銀行はリスク産業なのです。
リスク産業ならば、ちょっとは貸し倒れても仕方ないで。とフツーは思いますが、
銀行員にとって、貸し倒れ=回収不能は、絶対にタブーなのです。
なぜならば、融資の原資というものは、大切な預金(大半が地元の預金)なのです。
銀行の資金ではない。回収不能など起こしては絶対にダメである。
と、銀行員は、若いころからに厳しく言い聞かされます(実はこれ当然)。
ドラマ「半沢直樹」でも、巨額の回収不能に対し、本部や支店長から厳しく叱責され、
人事処分=左遷となりかけたシーンあるでしょ。
あれはドラマなのでやりすぎですが、実は本当なのです。
そもそも、リスクがあるならば、それなりのリターンがあるべき。
それで初めてビジネスは成立します。
ところが、前回も述べた通り、銀行融資の場合、リターン(金利)の相場が決まっている、
地域の中小零細企業融資については、どんなに金利が高くても、
5%を超えるような金利・・・・ 適用しにくいです。
中小企業相手=不確実性というリスクが常に伴うことになる。
地方銀行の場合、中小企業という信用リスクと
銀行金利というリターン をマッチさせることが難しいのです。
信用力とは?
それでは信用力とはいったいなにを指すのでしょうか?
銀行のいう企業の信用力とは、ざっくり言うと、企業財務や企業体力のことを指します。
安定した黒字経営を継続していること
自己資本の割合が高いこと
借入金が適正であること などなど。
このほか、従業員数や資本金、資産の額など企業規模や、事業年数など企業の経歴などが該当します。
当然ながら、上場企業は株式を公開しており、
市場において、公の価値(時価)が認められていることから、
相応に信用力が高い、と判断されます。
上場企業のような信用力の高い企業だけ、取引すればよいのに。って思いたくなりますが、
地方においては、上場企業は、まったく少ないといえます。
信用力を補完する信用保証協会
銀行が、信用力の乏しい中小・零細企業に資金対応をするためには、担保で補完します。
中小・零細企業の信用力を補完する担保。
こうした公的機関として、全国に「信用保証協会」があります。
銀行も、信用保証協会による保全付きであれば、少々疑わしい、と思われる決算内容の先にも、
「保全確保だから」という理由で、堂々と融資対応することができます。
これは、「信用力不足という問題をカバーする」という意味においては、
保全機能として、信用保証協会という機関は、中小・零細企業に対する貸渋り対策に有効であり、
中小企業の資金繰り支援に役立つことから、積極的に利用してよいと思うのですが、
これが過度になりすぎると、よくないのです。
まず一つ目は、銀行融資=保証協会付き融資 が条件となる。
銀行は「信用保証協会」が保証しないと、中小零細企業に融資対応をしない、ことになります。
ということは、銀行は保証協会に与信判断を丸投げすることと同じ。
「保証協会が保証する」のであれば、たとえ決算書にわからないところがあっても、
経営者によく話を聞かなくても、
工場の生産現場を確認しなくても、
資金使途がよくわからなくても、融資対応に応じることができてしまいます。
その結果、
二つ目の問題点として、若手銀行員に目利き能力や「事業性評価」など能力が育たなくなります。
保証協会付き融資は、公的予算に基づく保証制度であり、1社に対する保証枠が存在します。
つまり、その枠がいっぱいになると、融資対応ができなくなります。
三つ目は、その地域の中小・零細企業は、保証枠の範囲内のみしか、資金調達ができず、
成長や再生に必要な資金について、
保証協会の枠の範囲内という限度が生じるということです。
保証協会融資がダメなのではなく、
保証協会に判断を丸投げする、過度の依存がダメといっているのです。
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